最近は皿ヶ嶺方面にばかり足を向けていたが、今日は珍しく白猪の滝方面に行ってみる。唐突に白猪の滝に向かうにはそれなりの理由がある。愛媛の人はローカルニュースを見てご存じだと思うが、東温アルプスの東の主峰の石墨山に上った後、下山中に高齢女性が遭難し、白猪の滝付近で遺体が発見されたという。遭難の原因、そして遺体の具体的な発見場所はニュースでは触れられてなかったので詳細が不明なのだが、遭難の遠因として白猪の滝上部あたりの登山道が荒れていたことが有るかも知れない。登山道が荒れているために道迷いとなったか、あるいはイノシシが穴を掘ってボコボコにした登山道が先日までの(遭難以前の)長雨の影響でさらに深くえぐれて、足がひっかかって転倒し身動きが取れなくなったか? 

遭難理由の憶測はこれぐらいにして、今日はその登山道がどんな状況なのか自分の目で確認しに行こうと思う。愛媛のローカルニュースでは白猪の滝付近の斜面で遺体が発見されたと報道されていたが、登山道自体も気になるので、白猪の滝から
東温アルプス縦走路に出会う白猪峠まで上がってみようと思う。

今日は白猪の滝駐車場までバスで行く。まずは川内バス停前のコンビニで弁当と○○美茶を買う。定刻通りにバスは出発。乗客は私以外には女性が一人。この人は国道沿いのバス停で降りたので、白猪の滝駐車場まで私一人のための貸し切り状態である。

白猪の滝駐車場に車は無い。当たり前だ。こんな時間から滝に行こうと言うのは余程の物好きだ。


デジカメ時計=8時5分
ちょうどもよおしてきたところにトイレが有って良かった。こんな場所なので水洗ではない。でも洋式の腰掛式の便器でポッちゃん方式だった。年をとると腰掛式の便器が有りがたくなるのだ(-_-;)
先ほどのトイレから見えるところに白い木の標識が立っている。白猪峠への登山道入り口だ。
上の写真のトリミング


この標識を見落とすと白猪の滝に行ってしまうことになるので見落とさないこと
ウスムラサキニガナ 


一応皿ヶ嶺の植物図鑑にリンクしておくけど、この写真は入れるつもりは無い。だってここは皿ヶ嶺じゃないから。
日当たりの悪い人工林の中は登山道の草も少ない
日当たりのいい場所は両側に草がびっしりと生えているが、踏み跡はしっかりしている。ここで道迷いは無いだろう。
そして再び人工林に入ると登山道の草も無くなる
これは何? と近づいてよく見ると、ヤマアジサイの装飾花だった
左手にこんな赤い板が有るので、私と同じコースを歩きたい人は見落とさないこと
書かれているのは登山口、峠(白猪峠)、滝口を示す矢印だ。登山口と峠は登山道を歩いていくが、滝口に向かう登山道は無い。この写真を写している私の背後にある急斜面を強引に降りていく。ここは遭難の可能性あり。
ここで滝の上流の沢に出会う。ここまで右岸を歩いてきたので、ここで渡渉して左岸に移動すると思っていたが、私の思い違いだった。右岸からいったん沢に降りて、もう一度右岸の道に入る。左の写真にも赤テープが写っている。
ズームイン


赤テープの下には黄色の丸いペイントがある
水の中には魚が泳いでいたのでビックリ。白猪の滝の落差を上がってこられるはずが無い。何故ここにいるのか不思議だ。
これは何を写したのかと言うと、切断された、または折られた木の枝。登山道は踏み跡は明瞭だが、両側から登山者の邪魔をするように張り出している枝も有る。これは先行者(もしかしたら遭難者を捜索していた人?)がこうしたんだろう。私も剪定ばさみで適宜邪魔な枝を切りながら歩いていた。
ここで右岸から左岸に渡渉する
登山道にはキツネノカミソリが咲き、木漏れ日も有って良い感じだ
ところがその後、天気が急変し雨が降って来た。天気予報では基本は晴れだけど、にわか雨が降るかもとなっていたと思う。この雨もにわか雨だとは思うが、雨の中白猪峠まで上がる気力が失せた。もうここで撤収だ。


デジカメ時計=10時44分
雨は降ったりやんだりを繰り返していたが、やんでいる間に着ている服が乾燥するはずもなく、ほぼびしょ濡れ状態で歩いている。しかし幸いなことに気温が高いので、濡れていても寒くはない。これが5月の連休ごろ雨に濡れたら寒くて泣いただろうな(-_-;)


そしてここまで戻って来た。ここから今日の核心部に向かう。つまり急斜面を強引に降りて白猪の滝の上に出るのだ。
谷底に降りて川に出合う。白猪の滝の滝前に降りるためにはここで渡渉して左岸に渡らなければならない。
白猪の滝は上下2段の滝だが、ここは上の滝の滝口と言うのか落ち口だ


手前の岩場にはイワギリソウが有るのだが、雨で濡れた岩場を歩くのは危険すぎるのでイワギリソウの写真はナシ
これは上の滝の滝つぼであり、下の滝の落ち口
イワタバコを写す余裕が出てきた
ヤブレガサ
もうかなり下まで降りてきた
無事に白猪の滝の滝前に到着。そこには白いユリの花が置かれている。これは遭難した女性を悼むためのものだろう。そして視線をこのユリの背後の斜面に写すと斜面の藪と言うか草叢を踏みつぶすような足跡が全くない。それを見てここは遺体発見現場ではないということを確信した。というのはニュースでは遺体発見場所を「白猪の滝付近の斜面」と書いているのと、「白猪の滝滝つぼ付近の斜面」と書いているのと2通りの報道が有るのだ。私は滝つぼ付近の斜面て何なの? 滝つぼのすぐ横の斜面(つまりこのユリのすぐ近くの斜面)で遭難するはずが無いと思っていたのである。そして現場を見て、やはり遭難現場はこの滝つぼ横の斜面ではないと思った。

滝前では剣道着を着た若者が竹刀を振って素振りの練習?をしていた。その様子を動画で撮影し、you tube投稿の許可を得たのでyou tubeにアップした。動画はここです。滝の爽やかさを感じて下さい。
ちなみにこの若者と話をしたところ、遭難騒ぎのことは知らなかったそうだ。それでもユリの花に近づいてはいけないと言う雰囲気は感じていたとのこと。

白猪の滝の近くにある東屋のベンチに腰をおろしコンビニ弁当を食べる。滝の前にいた剣道着の若者がいなくなったので白猪の滝の写真を撮ろう。

白猪の滝



デジカメ時計=13時9分
久しぶりの定点観測写真
下流の小滝
来るときに利用したトイレの横にはこんな看板がある

「子規、漱石の通った滝道」と書かれている。ではこの道を歩いて帰ろう。ここを歩いて行けば最終的には白猪屋の横に出るはず。

思った通り白猪屋の横に出たら、すぐ近くにバス停がある。バスの時間を見ると約30分前に出ている。次のバスまで2時間半。ここでぼーっとバスを待つのは苦痛だ。もう歩いて帰ろう。

雨滝に寄り道


デジカメ時計=14時31分

誰も居ない家に帰り、妻に「帰った」とメールしたのがスマホの履歴では15時51分。

今日は白猪峠への登山道確認ということで行ったのだが、雨に降られてそれよりもかなり手前で撤収。それでも撤収地点までの登山道は明瞭で道迷いや遭難は有り得ないと感じた。そして白猪の滝の左岸の急斜面は慣れない人にとっては危険で遭難しても不思議ではないと感じた。ただし実際の遭難現場(遺体発見現場)は不明のままで、白猪の滝左岸の急斜面が危ないと感じたのは私個人の思いです。

今日のレポートのタイトルは白猪の滝散歩としたが、これは「登山道調査」あるいは「遭難現場検証」と書くと大袈裟過ぎるので、白猪の滝散歩としました。現実に我が家まで歩いて帰ったんだから散歩であっているのだ(-_-;)

今日は張り切ってGPSを持っていったが、いつの間にか電源が切れていたし、辛うじて記録できていたはずのデータも人工衛星の捕捉に失敗してまともなデータが残ってなかった。


左の地図で780mの三角点の横の登山道辺りから急な斜面を降りて川に出合い、渡渉して左岸に渡った後、滝の横の急斜面を下りるイメージ。




下(南側)の青い旗は唐岬の滝への分岐点


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